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07

余白、妄想、スケルトン&インフィル
ムジ・ネット株式会社 白崎達也


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 先日、我が家のソファをリサイクルショップへ下取りに出しました。まだ4年ほどしか使用していなかったので少しもったいないなぁと思いますが、新しいご主人のもとで可愛がられることを祈っています。そんな若干の後ろめたさと引き換えに、我が家のリビングには余白ができました。子供はソファにぶつかる心配がなくなり、より一層元気に走り回っています。大勢の友人も招きやすくなりましたし、何よりも清々しい気分で過ごすことができるようになりました。でもこれによって一番豊かに感じられたことは、この余白をどう利用しようかと妄想ができることです。新しいソファを買おうかと考えたり、子供と一緒にプラレールを巨大に組み立てようか、正月だけこたつを用意してぐうたらすることもできるぞ、とこれまで考えてもみなかったプランが出てきます。実現するかどうかは別として、とにかくイメージが膨らんでいくだけでも楽しく豊かな気持ちになります。

 豊かな暮らしとはなんだろう?と考えた時、それは「余白のある暮らし」なのではないかと思います。ひつじ不動産の北川さんがこのシリーズコラムでも紹介されているシェアハウスの魅力も同じだと思います。住人の方は、一種の余白である共有のリビングやダイニングが生み出す予期せぬ展開、楽しいハプニングや経験に魅力を感じているのでしょう。この予定調和の無い状況は、余白が生み出すものに他なりません。私がどうもスマートハウスというものがあまり面白くないなぁ、と思うのも似た理由です。太陽光発電や蓄電池などは素晴らしい技術ですのでもっともっと普及して欲しいと思いますが、これらは住まい手が何もしなくてもいいところが面白くない。省エネ設備に頼り切った暮らしであるところが面白くない。同じ省エネをするのならば、今年はグリーンカーテンを作ってみようとか、水打ちをしてみようとか、成功も失敗も含めて、そんな努力の成果を実感しながら試行錯誤できる余地(余白)を楽しむ暮らし方の方が、人間的だし豊かだと思うからです。

 近年、nLDKの間取りに対して批判的な考えをよく見受けます。正直、私はnLDKが必ずしも悪いものだとは思いません。これだけ多様化したライフスタイルの人がいるのですから、nLDKの方が使いやすい人だって当然いるはずです。もちろん建売住宅や分譲マンションなどが画一的で、多様化したライフスタイルに呼応していない状況は問題だとは思いますが、nLDK自体をとやかく言うのは余計なお世話です。それよりも、もっと本質的なことは、可変性の話、余白の話だと思います。後から壁を作りやすくしたり、取り除きやすくする。水回りの位置も変えやすくする。そんな自由度のある、余白のあるように予め作っておくことが一番重要なのです。そんな家作りがスケルトン&インフィルです。とにかく頑丈で安心のできる躯体(スケルトン)と可変性のある内装や設備(インフィル)を組合せることで、将来はこんな暮らしにするんだ、と妄想のできる余地、余白が生まれ、暮らしに豊かさを感じることが出来るはずです。実現できたら喜びはもっと大きいでしょう。

 リノベーションにせよ、新築戸建てをつくるにせよ、是非この様な余白を意識した家づくりをしてください。できれば初めは極力間仕切らずにいた方が妄想は加速させ易いでしょう。きっと家づくりの時には気づかなかったことが暮らし始めると色々と出てくるはずです。それを「後悔」にさせてしまうのではなく、ここを変えればもっと良い住まいになる、という「喜び」にできるのがスケルトン&インフィルの真骨頂なのです。私も我が家の余白でもう少し妄想を楽しみたいと思います。

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house-project@idee.co.jp(担当:佐藤)                  

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