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IDÉE HOUSE PROJECTの最新情報をお送りするこのページ。
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「シェアの住まい」の本当の魅力
株式会社ひつじインキュベーション・スクエア 北川大祐


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 シェア生活を楽しむ住まいも、ずいぶんと増えてきました。最近は友人などの個人同士で集まって暮らすスタイルから、不動産事業者が管理面などに介在し、ごく普通の賃貸物件のような感覚で入居できるスタイルが主流になってきています。今まで以上に、誰もがシェアのライフスタイルに親しみやすい環境が整いはじめているのです。

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 シェア物件専門のメディアを運営しているなかで実感させられることですが、近年のシェア物件では家賃の安さということよりも、入居者同士の接触、すなわち「コンタクト」が明確に魅力の軸になっています。シェアそのものは脇役で、主役であるコンタクトを生み出すための“しかけ”に過ぎないというわけです。とはいえ、もちろん人と人が接触するということには楽しい面だけでなく厄介な側面もありますし、住まいとしての暮らしやすさのバランスも大事です。ちょっとした設計や管理の行い方ひとつで活発なコミュニティが生まれたり、ストレスに悩まされたりといったことが起こります。

 最近はひつじ不動産でもシェア住宅管理士講座という枠組みをつくり、このような快適さと活発さを両立させるコンタクトの仕掛けづくりについて真剣な議論を始めましたが、つい先日、とても面白い体験をしました。

 とある物件を訪れたときのことです。最近は立派な予算を組んだ贅沢な開発も増えています が、そこでは築古の木造住宅をほぼ、そのまま使っていました。正直、真冬に訪れた建物の中は とても寒い。これは入居者さん達の部屋も底冷えしそうだな・・・などと思いながら居間の引き戸 をガタガタとあけると、ガスストーブの置かれた暖かい空間に入居者さん達が集まり、ソファやカーペットでのんびりと過ごす姿が目に飛び込んできたのです。真冬に感じるストーブの暖かさもあり、その姿を見ていると、たくさんのシェア物件を見慣れた目にもひときわ居心地の良い空間のような気がしてきます。

 もちろん自分の部屋が寒いから何をするにも居間に出てくる、という話はあるのでしょうが、なんのことはない、暖かいストーブがあれば人は集まるじゃないかと拍子抜けしたものです。人が集まるしかけづくりというものが、いかに本能に近い部分と強く関わっているのかと実感させられます。

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 いずれにしても、こんな風に暖かいストーブのある部屋に集まって過ごした時間は、派手でなくとも、きっとかけがえのない大切な日常の記憶となって残っていくと思うのです。コミュニティなるものの実体がどこかにあるとすれば、それは1人1人の中に残る、とてもパーソナルな記憶の集まりなのかもしれません。人と人との自然な接触を生み出すしくみを備えた住まいの本当の魅力は、時間と共に降り積もっていく、この「暮らしの記憶」にこそあるような気がします。

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house-project@idee.co.jp(担当:佐藤)                  

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